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最終更新 2024/1/5
はじめに
卒業論文などで大学の図書館に所蔵がない資料を参照する必要が出てきた場合、国立国会図書館(NDL: National Diet Library。以下「NDL」という)を利用する機会が増えると思います。
地元自治体の公共図書館や大学図書館とは、仕組みが少しだけ違うところもあるので、利用の際の参考にしてください。
また、NDLが作成している利用ガイドもあります。
- 東京本館利用の流れ
http://www.ndl.go.jp/jp/tokyo/flow/index.html - 国立国会図書館の資料の使い方(概要)
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-623.php - 2020年3月6日 調査・研究支援オンラインサービス(6月4日更新)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2019/reserch.html
実際に足を運ぶことで思いがけぬ資料との出会いもあったりするのですが、まずは遠隔での利用方法を中心に述べます。
1.国立国会図書館とは?
日本唯一の国立図書館です。納本制度により、国内で発行されたすべての出版物は国立国会図書館に納入することが義務づけられています。
詳しくはHPを参照してください。
https://www.ndl.go.jp/index.html
Youtubeでも動画を配信しています。
https://www.youtube.com/channel/UCHpDnv60i1LxOszXgBSE7DA
2.利用の前に―利用者登録
NDLの利用には、利用者登録が必要になります。
満18歳以上であれば、留学生であっても、在留カードなどを使えば登録が可能です。
登録利用者になると、海外でも郵送複写のサービスなどが利用できますが、3年間ログインもせずに全く使ってないと失効しますので、注意してください。
登録利用者制度については以下を参照してください。
https://www.ndl.go.jp/jp/registration/index.html
以前は、千代田区永田町の東京本館、または京都府相楽郡精華町の関西館などに直接行く、あるいは上記のURLに載っている必要書類(利用者登録申請書+本人確認書類)を郵送することで手続きができましたが、2022年5月19日以後、国立国会図書館オンラインで、書庫資料やデジコレの送信を受け付ける「本登録」と、遠隔複写の利用できる「簡易登録」の2つを受け付けるように変わったようです。
詳細はNDLのウェブサイトを見てください。
https://www.ndl.go.jp/jp/registration/individuals_official.html
3.遠隔複写申し込み
3-1.サービス概要
NDLに行かなくても所蔵資料のコピーを自宅や指定場所に送ってもらえるサービスがあります(有料です)。遠隔複写サービスというものです。
詳しくは以下をご覧ください。
https://www.ndl.go.jp/jp/copy/remote/index.html
※利用が多いと到着までに時間がかかるので、余裕をもって申し込むか、急ぎの場合は近くの図書館で代替できるかどうかを調べることを強く勧めます。
※送料だけでなく複写料金自体も、作業員の方の負担の観点などからコンビニのコピーなどより若干高めに設定されているので、料金はよく確認してから申し込んでください。あとでびっくりしないようにしてください。
3-2.申し込み条件
遠隔複写が申し込める条件がいくつかあります。
- まず、何という本の何ページから何ページまでかが特定できることが必要です。わからない場合の対応も以下のリンク先にありますので確認してください。
https://www.ndl.go.jp/jp/copy/remote/index.html#condition - そもそもの大前提として、著作権法が図書館での複製として認めている範囲内でのコピーになります。著作権が残っている本1冊丸ごと全部というのは不可です。
- 申込件数にも上限があります。
- (あまり試す人はいないと思いますが)館外から申し込むサービスなので、国立国会図書館の中からは申し込めません。
3-3.手順
国立国会図書館サーチにログインして、検索→来館せずに遠隔複写→申込カートに入れる→複写の申し込み手続きへ進む…の順で進んでいけばOKです。
※ありがちなミスとして、カートに登録して終了と思い込んでしまうというのがありますが、それだと申し込みは完了していないので注意してください。ちゃんと受付が通っている場合には、通常「【国立国会図書館】複写についてのお知らせ
雑誌記事索引に引っかかるものならば楽ですが、雑誌記事索引採録誌でも、3ページ未満の記事は目次が採られなかったりします。なので、検索してみつからないから存在しないという判断はちょっと早計で、注意が必要です(研究者によっては詳しく業績をリサーチマップなどにあげていることもあるので、それを見て探す方法もあります。)。
複写個所が特定できていれば申し込みができます。
複写物が届いたら内容を確認して、同封の払い込み用紙で出来るだけ早めにお金を支払ってください。コンビニでも支払い可能です。
なお、複数複写を申し込んだ場合、申込先が東京本館と関西館に分かれていた場合、それぞれの図書館から別々に送られてきます。
4.大学の図書館で借りる
筑波大学附属図書館では以下のことが可能です。
念のため、図書館の使い方や開館日について、HPを確認した上で利用してください。
4-1.図書館間貸出
国立国会図書館に所蔵がある図書を取り寄せてもらうことができます(資料の形態・状態などによっては借りられないものもあります)。
また、県内の公共図書館や他大学の大学図書館など、国立国会図書館以外の図書館からも取り寄せてもらえます(取り寄せの費用が自己負担になる場合はあります)。大学の図書館にない場合は、利用方法がないか、図書館カウンターに相談してください。
国立国会図書館サーチやCiNii Booksなどでタイトル、著者名、出版社、出版年、所蔵図書館をあらかじめ調べておくと話がスムースに進みます。
4-2.国立国会図書館デジタルコレクション(図書館・個人送信)の利用
国立国会図書館デジタルコレクションは、国立国会図書館が収集しているデジタル資料を検索・閲覧できるデータベースです。著作権保護期間が満了している資料はインターネットで公開されているのですが、なかには、著作権が存続しているものの、絶版等により入手が困難である資料があります。
そのような資料を、国立国会図書館の承認を受けた全国の公共図書館、大学図書館の館内でのみ閲覧可能にする制度があります。それが図書館送信サービスです。筑波大学でも所定端末でインターネット公開以外の資料が閲覧できます。詳しくは、カウンターに相談してください。
また、著作権法の改正の結果、2022年5月から、登録利用者であれば上記資料の利用が個人の端末でも可能になりました。デジタルコレクションの認証画面で利用者IDとパスワードを用いてログインすれば閲覧可能です。史料となる明治・大正時代の図書・雑誌だけでなく、先行研究として位置づけられる研究書や学術雑誌も個人送信対象となっています。
2022年12月からは収録対象が拡大されてさらに全文検索も可能となり、2023年1月には、個人送信の資料をpdfで出力することもできるようになりました。
卒論などにおいてこれを使わない手はありません。ぜひとも早い段階でNDLの利用者登録を進めてください。
免責事項
掲載時点において、情報には細心の注意を払ったつもりですが、今後の状況により、利用方法が変化していく可能性もありますので、最新の情報は国立国会図書館のホームページ等を参照するようにしてください。
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