1.基本

1-1.レジュメとは

  • ゼミで発表する際に参加者に配布する資料などを指して言います。
  • レジュメは、発表者が発表内容をわかりやすく伝えるために使います。
  • 私の演習(近代日本の思想と文化)の授業では、次の3パターンのレジュメを作ってもらう予定です…文献講読、史料輪読、卒論構想発表

1-2.レジュメに書くこと

演習の授業での発表の場合、課題となった文献や史料に何が書いてあるか(内容整理)+発表者がそれをどう読んだか(疑問や考察)がセットで書かれており、それが聴き手に分かりやすく伝わるようになっているのが、よいレジュメといえます。

箇条書きや通し番号、矢印、略号(ex. や cf. など)を用いて視覚的にわかりやすくまとめる工夫もしてみてください。

演習での発表レジュメにはさしあたって以下の要素が必要です。

  1. タイトル(本の要約・紹介の場合は書名)
  2. 発表日付
  3. 発表会場(授業名、イベント名)
  4. 発表者の氏名
  5. 下部(欄外)にレジュメのページ数
  6. 発表内容
  7. 参考文献・引用文献一覧

1-3.作成上の注意事項

  • 内容の部分は、課題やテーマによって大きく異なりますが、はじめに――本論――おわりにの順で書くのがよいでしょう。
  • 学問分野や教員によっては文章で書くことを求める場合もありますが、本演習では、箇条書きで、できるだけシンプルに書いてください。余白も多めにとってください。
  • 参考文献で絶対押さえるべき情報として、図書の場合は、著者名・タイトル・出版社・出版年を、論文の場合は著者名・タイトル・掲載誌・号数・年(・ページ数)がわかるように記述してください。これは、引用で出典を明示する際にも必要です。
  • 学問分野や 教員によって違うと思いますが、本演習で、説明の補助資料として文献の長文の引用やグラフ、図を使う場合は、レイアウトが崩れない範囲で数が少なければ本文中に、多ければ末尾に入れるようにしてください。

2.課題別発表レジュメの作り方

2-1.論文を読む(文献講読)のためのレジュメづくり

上記1-2.の「6.発表内容」の部分にさしあたって次の要素を書き込んでください。

  • まずは、内容の要約を箇条書きで書き出してみてください。
  • とくに重要と思ったところは、強調しつつページ数もつけて抜き書きしてください。
  • 演習の授業では、課題文献は出席者が全員読んできていなければならない想定なので、あまり細かくし過ぎる必要はありません。
  • 箇条書きの文字を順番に読むと全体の流れがわかるような形が理想です。文章をアウトラインに変換できる能力は、自分が文章を書く際にも役立ちます。
  • 内容紹介の後、発表者が感じた疑問点や考察を挙げ、議論のための論点を提示してください。

全ての本を読みながら上記の作業をこなすのは大変ですが、発表の準備時に図書館等で見つけた本などについても、同じように要約や感想のメモを作って残しておくと後々役に立ちます。

2-2.史料を読む(史料輪読)ためのレジュメづくり

上記 1-2.の「6.発表内容」 の部分にさしあたって次の要素を書き込んでください。

  • どういうことが書いてある史料なのかを整理してください。
  • 適宜登場する語句・人名の説明も補ってください(レジュメに書かなくてもネットや辞書で調べておくこと)
  • 他の文献・史料と比較しながら書かれている内容の妥当性を判断したり、同じ史料を引用している論文の解釈も参考にしながら、史料がどういう背景で書かれたのか、わかることを補ってください。
  • 事実関係を整理するために簡易な年表を作っても良いと思います。
  • 面白いと感じた部分や、関連論文の史料解釈に疑問があれば、自分の説に使えそうな部分(根拠)を引用し、論点を提示してください。

2-3.卒論構想発表のためのレジュメづくり

上記 1-2.の「6.発表内容」 の部分にさしあたって次の要素を書き込んでください。

  • 論文のテーマを書いてください。タイトルの付け方は意外と難しいのでよく考えてください。
  • 何故そのテーマを選んだか、問題意識を説明してください(ここは文章でも良いです。卒論の場合そのまま序章に使えます)
  • 先行研究とその批判(文献講読の応用)を書いてください。先行研究を探したけれど無いというのが自分の怠慢でないようにしてください。
  • 研究で明らかにしようとしている課題を示してください。
  • (歴史学の論文に固有の要素ですが)研究で使う史料の説明を加えてください。
  • 目次構成案を書いてください。もし示せれば具体的な史料解釈があってもよいです。
  • 参考文献

卒論発表というと難しそうに見えますが、作業としては、文献講読と史料輪読の組み合わせです。ある先行研究について、自分が見つけた資料から矛盾や別の解釈の可能性が見い出せそうならば非常に良いと思います。

参考文献

  • 大学の歴史教育を考える会編『わかる・身につく 歴史学の学び方』(2016年、大月書店)